私がイタリア語のCILSレベルB1合格を目指した理由

今回は、このブログの趣旨となるイタリア政府公式試験CILSレベルB1の合格を目指した理由と、試験内容を確認していきたいと思います。(この記事は2020年当初に書き起こし、内容を改修しました

CILSって?

CILS(チルス)は、イタリア国立シエナ外国人大学が主催する検定試験です。レベルは、欧州評議会のヨーロッパ言語共通参照枠で設定されたA1、A2、B1、B2、C1、C2の6つのレベルの言語コミュニケーション能力でわけられています。

合格者に交付されるCILS合格証明書は、イタリア国立大学に入学する際に必要なイタリア語の能力を証明するものとして用いられ、またイタリア語を母国語としない外国人がイタリアや海外で就職する際に、どの程度の言語能力を持っているか世界基準で証明できます。

各レベルの目安

ヨーロッパ言語共通参照枠CILSレベル試験レベル目安
A1CILS A1イタリア語入門レベル。短い文章の理解や日常生活における言い回しができるかどうか試される。自己紹介や個人的な話題について質問し回答ができるレベル。
A2CILS A2イタリア語初級レベル。コミュニケーションという観点からまだ援助が必要で限界があるレベルを指す。必要最低限の言い回しや表現を理解することができ身近な話題に関する簡単な会話ができる。
B1CILS UNO – B1イタリア語中級レベル。日常生活で頻繁に遭遇する状況で適したイタリア語を自立し駆使できるかどうか試される。
B2CILS DUE – B2イタリア語中上級レベル。基本的な場面での言語運用を問題なく行える能力があり、日常生活の広範囲な場面でイタリア語を使えるかどうか試される。ヨーロッパ圏外の外国人がイタリアの国立大学に入学する際、このB2レベルの合格者はイタリア語の試験が免除される。
C1CILS TRE – C1イタリア語上級レベル。より広範囲な場面でのコミュニケーション対応ができ、多様な言語運用能力が備わっているレベル。日常生活、公な場面や職業上の目的に応じたイタリア語が使えるかどうか試される。
C2CILS QUATTRO – C2イタリア語最上級レベル。ほぼすべてのコミュニケーションに的確に対応でき、公式、非公式のあらゆる場面だけでなく専門家として言語を駆使することができるプロフェッショナルレベルに相当する。

受験資格

学歴・年齢・国籍を問わず、イタリア語を母国語としない外国人やイタリア以外の国で生活する在外イタリア人(イタリア系2世、3世など)、イタリアへの移民者も対象となり、自分に合ったレベルを選択し受験でき、入門レベルから段階的に受ける必要がない。

試験内容

どのレベルも聴取、読解、文法、作文(筆記試験)と会話(口頭試験)の5科目からなる。児童を対象にするA1レベルの検定試験には文法に関する科目の試験がない。

試験会場・日程

年に2回(6月と12月の月初め)、イタリアおよび世界各国で同日に実施される。日本では、東京と大阪にあるイタリア文化会館で実施。イタリアでは、イタリア語語学学校などの各施設が会場となります。

採点と合否の基準

すべての筆記試験の答案、口頭試験は試験当日に録音され、シエナ外国人大学CILS検定試験センターに送られ、欧州評議会の外国語教育政策で設定された基準に沿い、センターにて一括して採点される。

各レベルとも5科目すべてが合格点(各科目の満点は20点で、うちB1レベル以上は11点以上が合格点、A1/A2レベルは各科目12点満点、7点以上が合格点)に達していれば合格となる。合格点に達していない科目があった場合は、18ヵ月以内に再受験する場合に限り、試験結果は次の試験日に持ち越すことができ、合格点に達しなかった科目のみ受け直しができる。すでに合格点に達した科目の受験は免除される。

なぜ、CILSレベルB1合格を目指したのか

イタリアで生活するうえで、レベルB1は日常的によく使う文法が多く、とりあえずこのレベルを十分理解すれば、自立して生活ができると言ってもいい。

レベルB2は、動詞の時制の直接法遠過去(il passato remoto)があるけれど、例えば美術館や博物館など、また歴史文献など読む場合に理解が深まり知識として尚いいと思うが、北イタリアでは通常の会話で使わないから。(南イタリアだと、近過去の時制を遠過去で言うらしい)

また最低でもレベルB1の合格証明書(il certificato)があれば、もしもイタリアで就職や仕事をするとなれば、少なからず有利なはず。(イタリアの就活は、日本よりも厳しいと思うけど。。)

CILSレベルB1の試験内容

試験の内容を細かく見ていこう

文法の要目

  1. 定冠詞(il articolo determinativo)と不定冠詞(il articolo indeterminativo)
    • 不定冠詞の省略(es : qualche giorno, alcuni amici)もしくは指示付き(es : questo libro)
    • 時間表現を伴う定冠詞の用途と機能
  2. 不定形容詞(l’aggettivo indefinito)と不定代名詞(il pronome indefinito)
    • qualche, alcuni, certo, ciascuno, ecc…. qualcuno, uno, qualcosa, altro
  3. 修飾形容詞(l’aggettivo qualificativo)
    • 比較級と最上級(il grado comparativo e superlativo)
  4. 単純目的語と複合形(i pronomi semplici e combinati)
  5. 代名詞的小詞(Ci, Ne)
  6. 関係代名詞(il pronome relativo Che, Cui, Chi)
  7. 前置詞(le preposizione)
    • 動詞による前置詞の使用
    • 冠詞との組み合わせ
  8. 副詞(l’avverbio)
    • mai, ora, già, ormai, talvolta, a poco a poco, all’improvviso, tardi, più tardi, prestoなど
    • 複合形副詞(es : soprattutto)
    • より頻繁に使う適格な副詞(時間、品質、場所)
  9. 接続詞(i connettivi testuali)
    • anche, inoltre, in più, pure, invece, però, cioè, per esempio, infatti, così, allora, perciò, quindi, dungue, insommaなど
  10. 動詞(i verbi):規則動詞、不規則動詞および再帰動詞の活用と以下の動詞の時制
    • 直接法半過去(l’indicativo l’imperfetto)
    • 直接法近過去(l’indicativo il passato prossimo )
    • 直接法単純未来と前未来(l’indicativo il futuro semplice e anteriore)
    • 直接法大過去(過去完了)(l’indicativo il trapassato prossimo)
    • 条件法現在(il condizionale il presente)
    • 接続法(現在、命令法現在の使用、助言的接続法)(il congiuntivo : del presente e dell’imperfetto, congiuntivo esortativo )
    • 不定詞現在(l’infinito il presente)
    • 直接法現在(l’indicativo il presente)

文法問題に出題される動詞ですが、レベルB1では接続法は出ないようです。ごくまれに直接法大過去形が出るようだけど。主に、直接法近過去形・半過去形・現在形・未来形・先立未来形、条件法などだそう。ただし、他のテストでは理解している必要はある。

筆記試験

項目回数時間詳細
聴取 test di ascolto3回30分グローバルな感覚と、日常および一般的なコンテンツの音声テキストに含まれる主要な情報を理解できる必要がある。3回の音声テストは2人またはそれ以上のネイティブスピーカーの会話録音で、1回の音声テストは2度再生される。
読解 test di comprensione della lettura3回50分グローバルな感覚と、日常的および一般的なトピックについて書かれたテキストに存在する主要な情報を理解できなければならない。3回のテストは、フィクション、情報・人気のある記事、指示文、規制、インタビューなどでレベルB1に機能的に適応している。
文法 test di analisi delle strutture delle comunicazione4回1時間テストは1時間続き、4種類のテストで構成されている。
最初のテストの目的は、文章の中で明確に表現された記事や簡単な前置詞の知識を検証する。
2番目は、テキスト内の時制の知識を検証することを目的とする。
3番目は、テキスト内の辞書の知識をテストすることを目的とする。
4番目は、特定のコミュニケーション状況における表現の知識をテストすることを目的としている。
作文 produzione scritta2回1時間10分単純な構造で書かれたテキストを作成できなければならないが、既知のトピックまたは興味に関するコミュニケーションの観点から、明確で効果的な方法で情報を伝える。100~120文字くらいの作文制作。

口頭試験

項目回数時間詳細
会話 produzione orale2回10分イタリア語の基本的な構造を使用して、口頭でのメッセージを効果的に伝えることで、考えを明確に表現できなければならない。受験者は日常のコミュニケーション状況に適切な方法でイタリア語の話し言葉を使用できなければならず、対談者の目新しさや干渉の要素に適応できなければならない。テストは2回、1つは審査官との対話2~3分程度と、もう一つは、独話2分程度。

よくよく調べたら、、マジで、ガチで、本気で挑まないとダメだ。。。汗

・・・

それでも、公に向けて宣言すると身が引き締まって、学習効果は少なからずよかった(笑)

最後に

要点をまとめると・・・

  • 世界基準の語学能力の証明書なので、少なからず就職活動する場合に持っているといい。
  • どのレベルも、毎年2回(6月と12月の初め)に実施される。
  • 口頭試験は、録音されたものをCILSセンターへ郵送され、決められた基準で採点されるので、発音も習得しないといけない。。

Foto di hudsoncrafted da Pixabay

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